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『ドニー・ダーコ』

Posted by AK on 16.2007 映画   0 comments   0 trackback
ある日、飛行機のエンジンが落ちてきた
世界の終わりと80年代UKミュージックシーン総まとめ


 人類最大の発明は原爆でもマイケル・ジャクソンでもなく石鹸。精神科の受診料は1時間200ドル。カルトの教祖は営業の片手間に児童ポルノ愛好クラブを運営している。国語のテキストにグレアム・グリーンを使えばPTAの苦情で失職する。こんなことを言い出すヤツは、十中八九『ドニー・ダーコ』マニアだ。もっとも、「エヴァ」で免疫ができていたせいか我が国では、マニア層を輩出するほど流行った映画ではないのだが。

 2002年当時、「bonzo」という1号限りで廃刊になったカルチャー雑誌があった。それ以前に発売されたパイロット版を入れても2冊だ。ブルボン小林が漫画の批評コラムを書いていたり、24年目のリターンマッチと称してスティーヴン・スピルバーグとジョージ・ルーカスにそれぞれインタビューを取ってきたりと、かなり精力的な雑誌だった。私は第2号の発売を心待ちにしていたのだが、待てど暮らせど書店には並ばない。月刊じゃないとしたら隔月刊か? もしかすると季刊かも?

 結局、廃刊の事実を知ったのはそれから数年後のことだった。当時の編集スタッフの回顧録がどこかのWEBサイトで読めるが、アドレスはもう憶えていない。とにかく、私が『ドニー・ダーコ』という映画を知ったのはこの雑誌の紹介記事を読んだからであり、決して「Cut」や「スクリーン」の提灯記事に踊らされたわけではない。そもそも正真正銘のミニシアター系映画である本作が、当時の他の映画誌で取り上げられていたかどうかは知らない。bonzo vol.1の117ページにある「世界は終わると信じていた 80年代の痛切な回顧」というキャッチだけが、とても印象に残っている。

 この映画は、リチャード・ケリーという青年がたった1人で脚本を書き上げ、その奇想奇天烈なプロットへ惚れ込んだドリュー・バリモアが自らプロデューサーを買って出て資金集めにまで奔走したというエピソードが残っている。ドリューは本作で、校長へ楯突いてクビになる国語教師役もやっており、この映画に対する思い入れは尋常じゃなかったらしい。当のリチャード・ケリーは、それまでショート物をいくつか手がけていただけの新人で、この映画が実質的な長編監督・脚本デビュー作だ

 自分で書いておいて言うのもなんだが、映画にミニシアター系も大館系もないような気がする。たしかに、コマーシャルへ資金を注げばメディアへの露出も増し、大手劇場が上映を買って出るという事態もあるだろう。が、それもこれも観客には至極どうでもいいことだ。だいたい、スター・ウォーズの新作が劇場公開前にネットで全編流出するようなこのご時勢、上映館の広さや多さは映画を判断する基準にはなり得ない。最近やたら「口コミ」という宣伝文句が踊るのも、単に電通の陰謀ということではなく、既存の広告戦略へ乗らない人間が実際に増えていることの現れ、というのは買いかぶりすぎだろうか。ともあれ、ミニで嬉しいのはスカートだけというのが玄人筋の一致した見解であることは間違いない。私の好みは膝丈ですが

 さて、『ドニー・ダーコ』はジャンルとしてはSF映画にあたる。もっとも、厳密な意味でのサイエンス・フィクションではなく、藤子不二雄が言うところの「(S)すこし(F)ふしぎな」映画、というほうが実情に合致するかもしれない。

 夢遊病のケがある17歳の男子高校生ドニーの家に、ある日突然、飛行機のエンジンが落下する。間一髪のところでウサギの幻に命を救われたドニーは、以後この「着ぐるみウサギのフランク」のアドバイスへ服従するようになり、学校の設備を破壊し、金持ちの大邸宅へ放火する。それもこれも、28日6時間42分12秒後に訪れる「世界の終わり」のため。

 タイムトラベルの哲学、凶悪な父親から逃げてきた転校生の美少女、タレントキャラバンに招待される幼い妹、教育現場を侵食する怪しげな自己啓発、世界で最も美しい文字列“Cellar Door”……すべての事象が「世界の終わり」に向かってなだれ込み、ドニーは父親の自動拳銃を持ち出して最後の瞬間を演出する。

 「世界の終わり」とは? 着ぐるみウサギ・フランクの正体は? タイムトラベルに必要だという「金属製で空を飛ぶ乗り物」とは一体? すべてはドニーの見た幻だったのか、それとも……。

 映画をひと通り見たあと、このドニーという人物造形に心当たりのある人が多いのではないか。自分の思春期を思い起こして、ああこんな風だったなあ、でも精神科医の前でズボンを下ろしてマスをかいたことはないなあ、等々。グチャグチャでメチャクチャだった昔の自分をドニーに重ねて感情移入する人が多い気がする。この映画はSFやサスペンスということ以外に、思春期男子の心の揺れ動きを切り取った、きわめてリアルな青春映画であるとも言えるだろう。

 そのドニーの妹、サマンサ・ダーコ役を担ったのがデイヴィ・チェイスという子役。当時は10歳か11歳だったはずだ。デイヴィ・チェイス? 誰それ? そう思う向きには、ディズニー映画『リロ&スティッチ』のリロ役、または『千と千尋の神隠し』北米版において千尋の声を充てた女の子、と言えば分かりやすいかもしれない。そんな裏方に徹することが多かったデイヴィちゃんが、この映画ではユニコーンのぬいぐるみを片手にサイコ少年の妹役を好演している。

 映画のクライマックスで、サマンサ率いるダンスチーム「スパークル・モーション」がタレントショーに出演し、デュラン・デュランのヒット曲でノリノリに踊りまくる場面がある。セルDVDにおけるチャプタータイトルはずばり「スパークル・モーション」。年端も行かない少女たちがギンギラギンの80年代的コスチュームで一心不乱にステージプレイする様は、正直「異様」の一言であり、これに比べれば、ドニーが姉の恋人を射殺する場面など霞んでしまう。私など、このチャプターを何度リピートしたか覚えていないぐらいだ

 この場面、当初はペットショップボーイズの“West End Girls”を使うつもりだったのだが、予算の折り合いがつかずにデュラン・デュランへと変更された経緯がある。ペットショップボーイズ版のスパークル・モーション……ものすごく見たい。あの曲は、当時としては珍しくボーカルにラップを使った物憂げな歌で、この曲をiPodで聴きながらロンドンのウエストエンドを歩く観光客が後を絶たない……かどうかは知らないが、映画のあの場面にピッタリなのは確かだ。

 余談だが、私はこの「スパークル・モーション」のフルサイズ版がDVDの特典映像に収録されるものと信じて疑わなかった。今からでも遅くない、リチャード・ケリーはデュラン・デュラン版とペットショップボーイズ版の両方を完全尺で収録した特別DVD「スパークル・モーション コレクターズエディション」をリリースすべきである。どうせ当時のフィルムはまだ残ってるんでしょ? ガチンコ金髪幼女がギンギンの衣装で腰をフリフリする映像の未編集版、スタジオで内々においしく頂いたんでしょ? 俺らにも見せろよコノヤロウ、独り占めはズルイぞ。

 私が買ったのは通常版DVDだが、今は廉価版『ドニー・ダーコ』が販売されているはずである。わざわざ買わなくとも、最寄りのレンタル店でミニシアター系もしくはサスペンス系の棚を探せばすぐに見つけられるだろう。ぜひ1度、デイヴィちゃんの腰フリ映像とか、キモカワイイ着ぐるみウサギのフランクとか、いろいろ堪能していただきたい。『バタフライ・エフェクト』のディレクターズカット版本編のオチに納得できた方なら、物語のほうも充分楽しめるはずである。



  原題 “Donnie Darko”
  2001年 アメリカ映画
  リチャード・ケリー監督


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