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『ローズ・イン・タイドランド』

Posted by AK on 31.2007 映画   0 comments   0 trackback
全米が嘔吐した
ナンセンスではないエログロ少女映画


 昨年4月、テリー・ギリアムは新作のプロモーションのため来日。傍らには主演女優のジョデル・フェルランドがいた。

 どこかの芸能ニュースサイトで、このときのグラビアを見た記憶がある。11歳の女の子と一緒にはしゃぎ回る薄毛の中年男。いい歳こいて何をやっているんだ、日本で宣伝するならもうちょっとフォーマルな立ち居振る舞いをしやがれ、おいこら待てオッサン、そこは(一応)おっぱいだろうが、記者会見で女優にセクハラかよ畜生、俺も混ぜろ。とにかく、やりたい放題だった。

 前作『ブラザース・グリム』が興行的に失敗し、日本におけるギリアムの新作上映枠は大幅に削られていた。いわゆる単館系の劇場で細々と公開されるにあたり監督がこれでは、メディア化に際してメーカーも厳しい状況に置かれるだろう。そう読んだ当時の私の読みは最悪の形で実現するのであるが、それはひとまず置いておこう。

 ギリアムの代表作『12モンキーズ』が私は苦手だ。女優があんまりアンアンキャンキャンと喚くので、落ち着いて映画に集中できない。話は面白いしブラピもいい演技をしているのになんだこの女優は。おい誰か、このヒス女をスクリーンから叩き出せ

 私は物語を楽しむクチなので、映画をキャストで見るということをあまりやらない。でも『12モンキーズ』は特別だ。途中で見るのが苦痛になった数少ないタイトルでもある。その点、2005年度の新作『ローズ・イン・タイドランド』は、むしろ女優の顔が鑑賞の理由の八割方を占めていた。カナダはブリティッシュ・コロンビア州生まれの“黒いダコタ・ファニング”こと、ジョデル・フェルランドである。

 黒と比喩したのは肌の色のことではない(彼女は白人だ)。芸歴である。これまで彼女が演じた役は、幽霊、悪魔憑き少女、そんなのばかり。彼女の出演作すべてを見たわけではないが、少なくとも日本におけるイメージは「たまにホラー映画に出てる可愛い子」ぐらいのものだろう。

 そこへきて、この『ローズ・イン・タイドランド』である。まさか彼女が、血の通った人間の女の子の役をここまで熱演できるとは。失礼ながら少々意外であった。最近、この映画に関連してジョデルがジニー賞にノミネートされたらしいが、映画を見た人間であれば納得の出来事だろう。

 『ローズ・イン・タイドランド』は、ジョデル演じる主人公ジェライザ=ローズの奇妙な境遇を描いた硬派な作品だ。日本の劇場予告では、何やら「不思議の国のアリス」にインスパイアされたファンタジー映画、という扱いをされていたがとんでもない。端的に言うとエログロ映画である。その手の耐性がない方は鑑賞を見送ったほうがいいだろう。

 私が地元の劇場へ見に行ったときも、「そういう勘違い」をした小太りの女性がアリスのコスプレでやって来ていたが、見終わったあとは案の定、通夜みたいな青い顔で彼氏に手を引かれていた。あの後、2人がどうしたのかは知らない。少なくとも、ホテルで一戦を交えるには重過ぎる作品だったことだろう。

 まず冒頭から凄まじい。猥雑なアパートの一室で、ローズが父親にヤクをあてがってやる場面から始まり、「あんたはマリファナの煙で育てた」と言って憚らない母親は鎮痛剤の大量摂取でショック死する。残された父娘は、予てからの悲願であった「幻の干潟(タイドランド)」を目指し、母親の死体を放って長距離バスに乗り込む。

 大草原の一軒家へ移住する2人であるが、隣人が剥製師の「幽霊婆」とロボトミー手術を受けた前科者、という冗談みたいなシチュエーション。ある出来事で父親が取り返しのつかない状況になり、主な登場人物はローズ、幽霊婆、前科者の3人だけになる。幽霊婆の過去が徐々に明かされ、同時に、前科者ディキンズが自らの運命と、その帰結である「世界の終わり」について言の葉の端々を洩らし始める……。

 ジョデルは撮影当時9歳。しかし、彼女の役にはディキンズとのラブシーンが存在する。このシーンだけ切り取ってみても、これを欧米諸国で公開するにあたってどういうコンセンサスを取り付けたのか、関係各所の苦情には如何なる対応をしたのか、そんな疑問が残る。

 主立った批評家の間では、この作品に対して賛否まっぷたつのジャッジが下ったそうである。ネガティブなコメントを提出した識者の言い分は、件の「ラブシーン」への倫理的な反発が大部分を占めていることだろう。実際の批評をすべて精査したわけではないので断言はできないが、そんな空気がこの作品の周囲には満ち溢れている。

 とまあ、善良なファンタジー映画を期待して見に行った観客は、ギリアムの「俺がそんな映画撮るわけねえだろバーカ」というカウンターを急所に食らった格好になるわけだが、この作品に取り付く評価は反発だけではない。エログロ好きはもちろん、多感な子供時代を送った女性などには概ね好評だったようだ。

 夢見がちな空想少女が爆弾で叩き起こされ、堅気の世界に戻る物語。異論もあろうが、この映画を乱暴に言い表すとそういうことになると思う。そして、そういう主題にシンパシーを覚える層が、一定のジャンル映画のボリュームゾーンであることもひとつの事実だ。私自身はこの作品に、ジャン=ピエール・ジュネの『ロスト・チルドレン』を初めて見たときのような衝撃を、昨年経験している。

 さて、この映画の販売メディアについて追記しておこう。

 先日『ローズ・イン・タイドランド』は東北新社よりDVDメディアとして発売された。片面2層の1枚組、本編収録時間120分のストレートケース販売だ。本編には日本語字幕のON/OFF機能以外のオプションはなく、英語字幕はおろか日本語吹替音声も収録されていない。特典にしたところで、多くの誤解を生んだ日本版予告編と、爆笑問題の太田光がこの映画について延々と駄弁り散らす35分の罰ゲーム映像が収録されているのみだ。

 東北新社によるライセンス販売という事前情報を聞いた段階で嫌な予感はしていたが、まさかメイキング映像すら収録されず、三流芸人の講釈を延々と聞かされる羽目になるとは予想外であった。ちなみに、米国版および英国版では、次のような特典内容となっている。



  ギリアムとグリソニのコメンタリー
  ギリアムのインタビュー
  ヴィンチェンゾ・ナタリによるメイキング
  舞台裏映像
  グリーンスクリーン
  カットされたシーン
  ジェレミー・トーマス(プロデューサー)のインタビュー
  ギリアムと原作者ミッチカリンによるQ&A
  オリジナル予告編



 これらの豪華特典をすべて省いて、我が国では「社会派コメディアン」こと太田光の、糞の足しにもならないような「特典映像」のみ独占収録である。驚くべきはオリジナル予告編すら削ってディスク容量の節約を敢行し、無理矢理1枚組に抑えたという点だ。まるで「あの名作をDVDで完全復刻!」と言わんばかりのお手軽感。サルベージできたのは本編だけですが人件費回収のため割高です、という感じ。どうやら東北新社には、コレクターアイテムという発想が皆無らしい。

 ここはブログであるので、この件に関する私個人の感想を言わせていただく。

 この日本版DVDは非常に残念だ。残念極まる。

 仮に私がたった今、不慮の事故で死亡したとしたら、間違いなく太田光の枕元へ化けて出る自信がある。多くのファンがそうであるように、私は映画が見たかったのであって、太田の面を拝むためにこのDVDを買ったわけではない

 『ローズ・イン・タイドランド』の公式WEBサイトでは、爆笑問題の漫才DVDの販促まで行っているようであるが、広告サイドが何を考えてこのような販売戦略を取っているのかは分からない。

 まさか、メディア化に際し当初から爆笑問題をメインに据える心づもりですべての特典を削ったということはないだろうが、もしそうなのだとすると、東北新社の企業としての良識および企画力に疑いの目を向けざるを得ない。



  原題 “Tideland”
  2005年 カナダ・英国合作
  テリー・ギリアム監督


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